中国の電力不足に伴う太陽光パネルの価格高騰

こんにちは。㈱2050エナジーです。

コロナウイルスがワクチンの普及により感染者数が減少してきた事で、世界中で経済活動が再開しだしています。

私自身は電車通勤しており、コロナ前までとは行きませんが、大分乗車率が上がってきたと感じています。

今回のテーマは太陽光業界もダイレクトに影響を受けている中国の電力不足についてです。

 

中国の電力不足

現在起きている中国の電力不足の原因は以下と言われています。

1.二酸化炭素の排出量削減に伴う環境規制の強化

2.発電所の燃料となる石炭価格の高騰

中国は世界で一番、二酸化炭素を排出している国ですが、

2020年の国連総会で「2030年までにCO2排出量をピークアウトさせ

2060年までにカーボンニュートラルを実現することを目指す」ことを掲げました。

(出典)温室効果ガスインベントリオフィス/

全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(https://www.jccca.org/)より

 

この目標の達成に向けて、二酸化炭素排出量削減措置を強化し、

火力発電が操業停止に追い込まれた事により、大規模な電力不足となりました。

(電源構成の内、約7割が火力発電)

 

また、以下の理由で燃料となる石炭も必要な分を確保出来ませんでした。

・環境対策、安全基準の強化を含めて国内の一部の炭鉱が稼働停止。

・オーストラリアとの関係悪化による石炭輸入の停止。

 

太陽光パネルの価格高騰

上記で説明した理由により電力不足が起き、太陽光パネルメーカーを含む様々な企業が

電気代の高騰や計画停電の影響を受けています。

その為、製造工場をフル稼働する事が出来ないため、

需要量に対し供給量が間に合わず電気代を含む生産コストが上昇し

製品の価格高騰が起きています。

また、生産量の低下に伴い納期も長期化しています。

 

元々、太陽光パネルの原材料となるポリシリコンが中国の大手2社の工場事故により

価格への影響が出ている中で、電力不足が重なり過去に経験のない価格高騰と供給不足となっています。

太陽光パネルメーカーからは「影響の解消の見通しは立っておらず、

今後も影響は継続して大きくなると考えられる。」という発表も出ています。

 

中国は太陽光パネルの生産量が世界一位で、2020年の生産量の内、70%が中国製でした。

※日本は0.3%です。

(出典)株式会社資源総合システム調べ(一部推定)

 

まとめ

炭素排出量削減の為に、火力発電を減少させると発電量が不足し

製造業をはじめと様々な分野で停電や価格の高騰という影響が出ています。

カーボンニュートラルへの過渡期である今、そして今後2030年に向けてが重要と言われてるため、

この様な現象が中国以外で起きても不思議ではないと思います。

今回の事例で世界は経済を含め繋がっているのだと改めて感じました。

世界規模でカーボンニュートラルの達成に向けて進んでいる今、

様々な面で協力し合う事が必要だと思います。

私たちが当たり前のように電気を使用出来ている事に感謝をしつつ、

省エネや脱炭素に対して出来る取組みから行動をしていきたいと思います。

省エネや脱炭素の取組に関連して「海洋プラスチック問題と脱プラ」の記事も合わせてご確認ください。