【2022年8月版】太陽光発電投資のメリット・デメリットを徹底解説
太陽光発電投資は個人でも参入しやすく、国の制度を利用できる安定感が特徴です。
一方で、近年売電価格が下がっていることもあり、今から始めても稼げるのか?と心配になる方も少なくないと思います。
太陽光発電投資を検討中の場合、利益の見込みや、投資額を回収できるまでどのくらいの年数がかかるのかなどを把握しておきたいところです。
この記事では、太陽光発電投資のメリットやデメリットを紹介します。
これから太陽光発電投資を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
近年注目されている太陽光発電とは?
太陽光発電とは、ソーラーパネルに集めた太陽光のエネルギーを電気に変換する発電方法です。
再生可能エネルギーである太陽光は、発電時に地球温暖化の主な原因である二酸化炭素を排出しません。
近年、地球温暖化の進行が問題となっているため、地球温暖化防止の策としても太陽光発電の普及が期待されています。
太陽光発電が投資として運用できる理由
太陽光発電投資とは、発電した電気を電力会社に売電することで収益を得ることができる仕組みになっています。
不動産投資や株式投資などと違う点は、太陽光発電投資には売電価格が約束される『FIT制度(固定価格買取制度)』があることです。
FIT制度とは、太陽光をはじめとした再生可能エネルギーで作られた電力を買い取る電力会社が一定期間、固定価格で買い取るように国が定めている制度です。
産業用太陽光発電の買取期間は20年間と定められており、この20年間の買取期間中は経済状況などに左右されることなく売電価格が固定されているため、利益予測が立てやすいという特徴があります。
太陽光発電投資のメリット
FIT制度(固定価格買取制度)を利用した太陽光発電投資には、さまざまなメリットがあります。
平均10%前後の高利回り
太陽光発電投資は高い表面利回り(年間収益を初期投資費で割った数字)が特徴です。
土地と太陽光パネルなどがセットで販売されている物件を「土地付き太陽光発電」と言いますが、土地購入代とシステム購入・設置費用を含めても、表面利回りが10%を超える物件が珍しくありません。
利回りの高さは、収益性が高く、投資回収期間が短いことを意味します。
さらに、太陽光発電投資にはFIT制度が利用できるので、長期的な安定収入のシミュレーションがしやすいというメリットがあります。
投資終了後は?
FIT制度で定められた買取期間である20年間が終わった後は、そのまま売電するために所有するか売却することになります。
そのため、早くに投資回収を済ませて中古市場に売却する人が増えています。
FIT制度(固定価格買取制度)があるためローリスクで投資できる
太陽光発電投資は、『FIT制度(固定価格買取制度)』によって、20年先まで売電価格が固定されるため、安定して収益を得ることが可能です。
売電価格は電力会社と電力受給契約を結んだ年や規模によって異なりますが、買取期間中の20年間は売電価格が約束されるので、ほぼシミュレーション通りに収益を得ることができます。
難しい知識がいらないので始めやすい
投資と聞くと、難しい知識や勉強が必要なイメージを持つ人が多いと思います。
しかし、太陽光発電投資を始めるために難しい知識は不要です。
太陽光発電投資は、一度設置したら、定期的なメンテナンスや管理は一括でお任せすることもできるので、投資初心者の方でも始めやすい投資となっています。
それに、発電した分の電気は毎月自動的に振り込まれるので、売り時を逃してしまうなんてこともありません。
経済状況や流行に左右されない
太陽光発電は、太陽がある限り、そして電気を使う人がいなくならない限りなくなることはありません。
そのため、経済状況の悪化や流行に左右されることもありません。
FIT制度(固定価格買取制度)によって、買取期間中は売電価格が変動することもないので、他の投資にはない安定性が確保されています。
節税制度の対象
太陽光発電設備の取得や維持にかかる費用は経費として計上できるほか、消費税還付、税制優遇措置を受けることもできます。
ただし、売電方法(全量売電、余剰売電)や発電所の容量によって、適用できる措置内容が異なります。
税制度の概要はほぼ毎年変わるので、常に最新情報を確認しておきましょう。
寿命が長い
ソーラーパネルの寿命の目安は30年とも言われているほど長いのが特徴です。
一般的な家電製品の保証期間が1年ほどなのに対し、ソーラーパネルの保証期間はどのメーカーでも最低でも10年保証となっています。
長い物だと、システム保証15年、出力保証25年というものもあります。
こんなに保証期間が長いのは、保証期間中はソーラーパネルが十分に稼働できるとメーカーが想定しているためです。
太陽光発電システムに搭載されている機器の一種であるパワーコンディショナーは、ソーラーパネルよりも寿命が短めで10〜15年で交換が必要と言われていますが、一般的な家電製品の寿命と比べると十分長いことがわかります。
ちなみに、パワーコンディショナーは太陽光発電システムによって生み出された直流電力を、普段私達が家庭内で利用している交流電力に変換してくれる役割を持つ必要不可欠な機器です。
不動産投資に比べて管理・メンテナンスが簡単
不動産投資に比べて太陽光発電投資は難しい知識を身につける必要がないため、投資初心者の方にもおすすめです。
不動産投資は、長く住み続けてもらえるように、人気エリアの物件を調査して購入したり、災害に備えてハザードマップを確認したりする必要があるため事前知識がかかせません。
また、空室リスクを防ぐためにメンテナンスをしたりリフォームをしたりとすると、ランニングコストが高くつくケースがあります。
太陽光発電投資にもランニングコストがかかりますが、年に数回の清掃と定期点検のみで、全国どのエリアでも始めることができます。
土地を所有しなくても始められる
土地とシステムがセットになった『分譲太陽光発電システム』であれば、土地を持っていなくても始められます。
分譲太陽光発電は、販売者が一括で購入または借り上げた土地に、太陽光発電を数~数十区画に分割して設置し、設備と土地を複数の区画に分けて販売する方式です。
太陽光発電は土地、もしくは屋根がなければ設置できないという認識の方も多いと思いますが、設置場所を賃借することで太陽光発電投資をすることができます。
分譲太陽光発電は、『土地』『補償』『メンテナンス』がセットで販売されているものが多く、販売・設置工事をした業者または管理会社がメンテナンスを行ってくれるため、管理する負担も少ないです。
サービス内容は販売業者によって異なりますので、購入前に比較検討するようにしましょう。
融資が受けられる
太陽光発電投資を始めるにあたって、少なくとも1,000万円以上の初期費用がかかります。
個人で始める場合、1,000万円以上のお金を現金で用意するのは難しいのではないでしょうか。
しかし太陽光発電投資にはソーラーローン(金利1.8%〜3%)が用意されているので、安定した年収があれば融資を受けられる可能性が高いです。
太陽光発電投資のデメリット
太陽光発電投資はFIT制度があることや、難しい知識を持っていなくても始めやすいことなど魅力的ですが、その反面デメリットもいくつかあります。
なるべく投資リスクを低減させるためにも、一通り確認しておきましょう。
売電価格の低下
元々FIT制度(固定価格買取制度)は再生可能エネルギーの普及を目的として始まりましたが、国民の税金負担軽減や太陽光発電システム自体の価格が安くなったことなどが理由で、売電価格が年々低下しています。
FIT制度が始まった2012年と比較すると2021年の売電価格は2分の1以下まで低下しています。
実際、2021年以降は新規の太陽光発電物件で儲けを出すことは難しいかもしれません。
しかし、新規の物件では難しいかもしれませんが、市場に出回っている中古の太陽光発電なら利回りが高く、十分な利益を出すことができる物件が多くあります。
そのため、中古の太陽光発電所を購入すれば太陽光発電投資で利益を得ることができるということです。
天候により収益に影響が出る
太陽光発電は太陽の光をエネルギーにして発電するので、曇りや雨の日、雪の日は晴れの日に比べて発電量が減ってしまいます。
これを聞くと、太陽光発電投資は天気によって左右されるのではないかと心配されるかもしれませんが、これに関しては大きなデメリットと捉えなくてもよいでしょう。
なぜなら、毎月の発電量は天候によって変動しますが、年間を通してみると発電量はあまり変わりません。
そして、太陽光発電の発電量シミュレーションは、NEDOの過去の年間日射量データをもとに年間単位で行うためシミュレーションのズレが少なく、ほぼシミュレーション通りの発電量を確保することができるからです。
以上の理由から、天候による発電量に関しては大きなデメリットと捉える必要はありませんが、台風や地震、津波、大雪など設備自体に影響を受ける可能性のある天災リスクについては注意しなければいけません。
大雨や台風によって洪水になり浸水すれば、設備が破損する恐れがあります。
また、強風で設備の一部が飛ばされて近隣住宅に被害をもたらせば、賠償責任を問われる可能性もあります。
こうしたリスクに対する補償として「自然災害補償制度」が太陽光発電システムを提供する会社ごとに用意されています。
補償内容は会社によって異なるため、補償条件を確認しておくようにしましょう。
ただ、地震や津波などの天災は自然災害保険ではカバーできません。
天災が気になる方は、購入しようとしている発電所の所在地が災害ハザードエリアに入っていないかを確認し、災害リスクが低い場所を選択するとよいでしょう。
FIT終了後の予定は?
太陽光発電投資の最大のメリットであるFIT制度(固定価格買取制度)ですが、終了後の予定は見えていません。
FIT制度は、2012年に施行されたばかりで、一定価格の買取期間が終了した後の事例がないため、判断が難しいこともデメリットと言えるでしょう。
ただ、政府が2030年までに温室効果ガス46%削減という目標を全世界に表明したことで、脱炭素化に力を入れていくことが予想できます。
つまり、再生エネルギーの普及という観点で考えると、今後太陽光発電の需要がなくなるとは考えにくいです。
とはいえ、電力会社へいくらで売電できるかわからないため、FIT後の利益は予測できません。
FIT後の太陽光発電は、ランニングコストと売電収支が相殺するか、赤字になる可能性も考えられます。
そのため、FIT制度が適応される20年間で初期費用やシステムの処分費用を回収して、利益を出すことを考えた方がよいでしょう。
出力制御の可能性がある
電力の供給量過多を防ぐために、電力会社が各発電所の発電量を抑える措置のことを『出力制御(出力抑制)』と言います。
出力制御されると、電力会社への売電が時間によって制限されるため、その分の売電収益を逃してしまいます。
実際に出力制御が実施されたエリアは、北海道電力、東北電力、中国電力、四国電力、九州電力となります。
出力制御の実績は電力会社により随時公開され、電力広域的運営推進機関が適切であったか検証を行います。
なお、国として再生可能エネルギーを主力電源とすることを掲げているため、今後出力制御がかかるのは、火力発電など他の電源が中心になる可能性も考えられます。
太陽光発電投資は他の投資と比較してメリットが大きい!
太陽光発電投資の魅力を、他の投資と比較しながらみていきましょう。
株式投資と比較
他の投資と比較しようとした時に挙がるのが、株式投資だと思います。
株式投資では株価が値上がりすれば大きな収益が期待できます。
しかし、株価は市場の影響を受けやすいため、なかなか安定した収益を得られないというのが実情です。
一方、太陽光発電投資は、FIT制度(固定価格買取制度)によって20年間の収益計画が立てられます。
太陽光発電投資は株価変動の影響を受けることはありません。
そのため、株式投資と比べると、長期的に安定した利益が見込めると言えます。
不動産投資と比較
不動産投資は、不動産を購入して、家賃収入や売却益を得る投資方法です。
昨今、家賃収入を得るために不動産投資を始める人が増えています。
しかし、人口減少により不動産需要が減るにしたがって空室リスクが高まり、収益が減ることが懸念されています。
一方、太陽光発電投資はFIT期間中は一定の売電価格が保証されているため、安定した収益を得られます。
今から太陽光発電投資を始めるメリットは?
年々売電価格が低下している現状で、これから太陽光発電投資を始めても儲けはあるのか?が気になるところだと思います。
ここでは、2022年以降に太陽光発電投資を始めるメリットを紹介します。
今からでも安定した収益が見込める
2012年にFIT制度(固定価格買取制度)が始まってから、売電価格は低下しているので、今から太陽光発電投資を始める意味はあるのかと気になる人もいるでしょう。
しかし、それは新しく発電所を購入した場合の話であって、FIT単価が今よりも高い頃に認定を受けた発電所を購入するという手もあります。
なお中古太陽光発電には、過去の年間実績から発電量や収益の見込みが把握しやすいといったメリットがあります。
それでは、新規の太陽光発電投資をするメリットがないかというとそうではありません。
新規の太陽光発電は、購入した年からFIT制度が適応されるので、その分長い期間収益を得ることができます。
ただし、シミュレーションでおよその発電量や収益は分かっても、実際の年間発電量は運営してみないと分からないためその分リスクは多少高くなります。
環境にやさしい企業に
再生可能エネルギーである太陽光発電は、地球温暖化対策に貢献できることもメリットです。
企業が太陽光発電を運営することによって、環境にやさしい企業としてイメージアップを図れる可能性があります。
太陽光発電の利回り計算方法
利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2つの種類があります。
太陽光発電の利回りは、初期費用と維持費・点検費用などのランニングコストに対して、売電によって得られる収益の割合を指します。
【表面利回りの計算方法】
年間収益÷初期投資費用×100(%)
【実質利回りの計算方法】
(年間収益-年間支出)÷初期費用×100(%)
大まかなシミュレーションを計算したい場合は表面利回りを計算すれば良いですが、表面利回りには維持費や点検費などのランニングコストが含まれません。
そのため、より正確な収益を算出するなら、実質利回りで計算したシミュレーションを行いましょう。
初期費用の回収期間
太陽光発電投資の初期費用は、1,000〜2,000万円程度です。
どのくらいの期間で初期費用を回収できるかをシミュレーションしておくことで、収益計画が立てやすくなるので、購入前には計算して確認するようにしましょう。
【太陽光発電投資の回収期間の計算方法】
(システム費用+土地代+ランニングコスト)÷ 年間の売電収入
初期費用の回収後の残りのFIT期間は、すべての売電収入が利益になります。
サラリーマンや公務員でも太陽光発電投資は可能!
初期費用を現金で用意するのが難しいという方でも、メリットで説明したように、安定した年収があれば融資を受けられる可能性が高いです。
また、副業が禁止されている公務員でも、10kW以上の産業用太陽光発電の場合、手続きをして承認を得られれば太陽光発電投資を始めることができます。
まとめ
太陽光発電投資には、他の投資にないFIT制度(固定価格買取制度)で安定した利益を得られるといった大きなメリットがあります。
しかし、価格の適正化によって年々売電価格が低下しているのが現状です。
FIT価格の恩恵を受けるために、実績があり見込みを立てやすい中古の発電所を選ぶ方法も一つの選択肢です。
パネシェアでは、FIT制度(固定価格買取制度)対象の発電所をシェアして購入できるサービスを行っています。
太陽光発電所の代表事業者である(株)2050エナジーと共同所有し、発電所は1ワット500円以下から購入していただけるのでまとまったお金は必要ありません。
FIT期間中の最長20年に渡ってメンテナンス不要で、売電収入を得ることができます。
選択肢の一つとして、是非ご検討ください。